2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧
「周知のように、徳富蘆花の『不如帰(ほととぎす)』(明治三十一~三十三年)は、結核で死んで行く浪子をヒロインとする。彼女は母をやはり結核でなくし、気の強い継母にいじめられて育つ。その点で、これは日本古来の『継子(ままこ)いじめ』の物語を踏…
内村鑑三があれほどキリスト教という言葉を乱発させながら、しかし、彼が目指していたものは本当は何だったのだろうか。内村自身、こう書いている。 「全力をあげて入信に抵抗していたころから、《すでに》私はそれを感じはじめていました。宇宙には《ただ一…
さて、「内面」を問題にするという転倒行為。ここで代表的に取り上げられているそれは言うまでもなくキリスト教である。明治の日本「文学」の中で、キリスト教はいかに機能しただろうか。例えば、田山花袋。「田山花袋という症例」あるいは「症例としての田…
「町外(はず)れの光景は何となく人をして社会というものの縮図でも見るような思いをなさしむるからであろう。言葉を換えて言えば、田舎(いなか)の人にも都会の人にも感興を起こさしむるような物語、小さな物語、しかも哀れの深い物語、あるいは抱腹する…
「これはツルゲーネフが書きたるものを二葉亭が訳して『あいびき』と題した短編の冒頭にある一節であって、自分がかかる落葉林の趣を解するに至ったのはこの微妙な叙景の筆の力が多い」(国木田独歩「武蔵野・P.11」岩波文庫) 「叙景の筆の力」とある。「…
とうとう本格化するTPP。以前にも触れたが、当面の必読書(入門書)はこれ。 堤未果「日本が売られる」(幻冬舎新書) とはいえ、新自由主義という世界的な流れは、未知の「風景/内面/告白/病/児童」という「制度」を、「文学」の次元でもまた出現させる…
生産(メーカー)はいいけれど投機はいけない、などと言う資格がどこの誰にあるのだろうか。それ以前に、生産と投機(商人資本)とはそんなに違ったものなのか、と問う必要がある。 「たとえば、今日、市場経済の調整機能を讃美していた人たちは、それがうま…
「アンダーソン氏」とあるのは「ベネディクト・アンダーソン」のこと。以下、読んでみて下さい。 「アンダーソン氏の『想像された共同体』という概念は、若いマルクスが国家を幻想的な共同性とみたことから来ています。吉本隆明のいう『共同幻想』も同様です…
「解釈」次第で国家はどんな(政治的/宗教的/社会的)検閲をも可能にする。しかもそれは「信仰の自由」の名の下で行われる。柳田國男や折口信夫の言動に言及しつつ柄谷行人はこう述べる。 「『信教ノ自由』という条項ーーー重要なのは、柳田のいう『老政治…
柄谷行人は小林秀雄の次の部分を引いている。 「{国民は黙って事変に処した。黙って処したという事が事変の特色である、と僕は嘗て書いた事がある。今でもそう思っている。事に当って適確有効に処しているこの国民の智慧は、未だ新しい思想表現をとるに至っ…
↓ https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181104-00000536-san-hlth 滋賀県在住者としては自分自身のこととしては当然、さらに特に下流域の地域住民に対する自覚的責任感を持たねばならないと考える。 BGM
でも、何だか違和感が———。 というのも、沖縄県浦添市の公園に除草剤「ラウンドアップ」が撒かれていたのだから。民間企業に丸投げするとそういうことになる。 BGM
2018/11/3(土)朝日新聞「社説」で「出入国管理法改正案/外国人労働者受け入れ問題」について「責任をもって示すのが政府の役目」と述べて安倍政権の姿勢を批判している。が、その批判は一読者にとって虚しく響くほかない。安倍政権が持ち合わせ…
↓ https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181101-00000053-reut-eurp 「トウモロコシやヒマワリが育つ穀倉地帯に住んでいる母親たち」、という共通点。「トウモロコシやヒマワリ」と言えば「米モンサント社」(現・独バイエル社)が超有名。 BGM