Hakurokin’s 縁側生活

アルコール依存症/うつ病/リハビリブログ

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

熊楠による熊野案内/死んだ僧に負わされた永遠の債務

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 或る時、奈良の東大寺に住んでいる僧が仏に供える花を摘みに東方向の山間部へ入った。途中、「道を踏み違(たがえ)て、山に迷(まどい)にけり」=「道を間違えて見知らぬ山中に迷い込…

熊楠による熊野案内/猟師の自覚・聖人の不覚

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 舞台は「愛宕護(あたご)の山(やま)」。今の京都市右京区愛宕山(あたごやま)。山岳仏教の聖地として知られる。 或る時、愛宕護山に数年間も籠り続けてひたすら修行に専念する持経…

熊楠による熊野案内/十三年目の秋穫

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 寛平五年(八九三年)から寛平八年(八九六年)。三善清行(みよしのきよゆき)が「備中介(びつちうのかみ)」(備中国長官)を務めていた頃。舞台は「賀陽(かや)の郡(こおり)、葦…

熊楠による熊野案内/鷲と排除とシンデレラ

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 「但馬国(たじまのくに)七美郡(しづみのこほり)」は今の兵庫県美方郡(みかたぐん)。説話は「日本霊異記」を出典にしていると考えられるため参照すると、奈良時代の皇極二年(六四…

熊楠による熊野案内/双六博打殺人事件

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 九州がまだ「鎮西(ちんぜい)」と呼ばれていた時代。さらに平安時代半ば頃。「合聟(あひむこ)」同士で双六(くぐろく)を打っていた。「合聟(あひむこ)」は或る姉妹をそれぞれ別々…

熊楠による熊野案内/「死体・腐臭・話題」、貨幣による隠蔽の限界

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 「藤原信通(ふじわらののぶみち)」が「常陸(ひたちのくに)」(今の茨城県)の「守(かみ)」(国司=長官)を務めていた頃。万寿一年(一〇二四年)=万寿四年(一〇二七年)。国司…

熊楠による熊野案内/猿への供物3

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 「近江国(あふみのくに)野洲郡(やすのこほり)」は今の滋賀県野洲市。「御上(みかみ)の嶺(たけ)」は野洲市内の三上山(みかみやま)を指す。しかし説話では「三上(みかみ)神社…

熊楠による熊野案内/猿への供物2

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 僧といっても様々な形態があった頃。「仏ノ道」を「行(おこな)ヒ行(ありく)僧」がいた。回国修行に身を投じる「聖(ひじり)」である。「飛騨国(ひだのくに)」を通過中、山中深く…

熊楠による熊野案内/猿への供物

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 「美作国(みまさかのくに)」(現・岡山県北部)に「中参(ちうざん)」と「高野(かうや)」という神がいた。中参(ちうざん)は猿。高野は蛇。猿は山神としての歴史が長い。蛇は稲作…

熊楠による熊野案内/妖魔の棲む家・平安京の住宅事情

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 平安遷都から約百年。醍醐天皇の時代かと思われるが、「三善(みよし)ノ清行(きよゆき)」が「宰相」(参議)を務めていた頃のこと。参議は内閣の中でも大納言・中納言のすぐ下の四位…

熊楠による熊野案内/鷹が愛した主人

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 十世紀前半、「藤原忠文(ふじわらのただふみ)」が民部卿(みんぶのきやう)を務めていた頃。炎暑の夏にはいつも避暑のため平安京から離れた東南部に位置する宇治(うじ)へ隠棲してい…

熊楠による熊野案内/過去を消し去ったもう一人の女官

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 平安時代前半、源雅通(みなもとのまさみち)という中将(ちうじやう)がいた。通称「丹波(たんばの)中将」。中将は天皇・宮廷の守護・警備に当たる官庁の次官。雅通は「丹波守(たん…

熊楠による熊野案内/貨幣へと転化した狂気の実力

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 或る時、「尾張国(をはりのくに)」(今の愛知県西部)に「勾(まがり)ノ経方(つねかた)」という地方官僚がいた。地方公務員としては上級職に当たるため、通称「勾官首(くわんじゆ…

熊楠による熊野案内/高速納税装置「童(わらは)」

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 惟孝〔惟喬〕親王(これたかしんわう)の「下家司(しもけいし)」に常澄安永(つねずみのやすなが)という職員がいた。「家司(けいし)」は親王・摂関・大臣・公卿の家の家政をつかさ…

熊楠による熊野案内/力の移動並びに死・妖怪〔鬼・ものの怪〕の置き換え可能性

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 後冷泉天皇の皇后・藤原寛子(ふじわらのかんし)に仕えた若い女房に「小中将(こちうじやう)ノ君」という女性がいた。藤原寛子は後冷泉の死をきっかけに治暦四年(一〇六八年)剃髪し…

熊楠による熊野案内/太政官事務次官等価心中

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 永承三年(一〇四八年)から永承五年(一〇五〇年)の間、藤原師家(ふじわらのもろいへ)は右少弁(うせうべん)の任に就いていた。今の内閣事務次官クラス。 その頃、師家にはとても…

熊楠による熊野案内/狗と童子、そして参宮

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 或る時、東国(あづまのくに)の家に奉公している十二、三歳の童女がいた。一方、その隣の家では白い狗(いぬ)が飼われていた。どういういきさつなのかさっぱりなのだが、この白い狗は…

熊楠による熊野案内/強盗殺人と不等価交換

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 或る時、遊行中の「阿弥陀(あみだ)ノ聖(ひじり)」が山中で一人の男性と出会った。男性は荷物を背負っている。聖(ひじり)とこの男性との二人で連れ立って歩くことになった。しばら…

熊楠による熊野案内/烏丸六角・利子を生んだ銀の「鋺(かなまり)」

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 長久一年(一〇四〇年)頃、平安京に「白井(しらゐ)ノ君」という僧がいた。今の京都市下京区高辻通と東洞院通との交差点付近に住んでいたが、その後、中京区烏丸通と六角通との交差点…

熊楠による熊野案内/消えた商品と高級官僚

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 万寿一年(一〇二四年)十二月六日。「下野(しもつけ)ノ守(かみ)」の任に付いていた藤原為元(ふじわらのためもと)の邸宅に強盗が入った。為元邸は今の京都市中京区三条通と西洞院…

熊楠による熊野案内/蛇の穴・貨幣とミソギ

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 或る夏の日。若い女性が供の者を連れて「近衛(こんゑ)ノ大路(おおぢ)」を西方向へ進んでいた。大内裏の東側の出入口の一つ・「陽明門(ようめいもん)」へ向かっていたように思われ…

熊楠による熊野案内/弱者が強者を土手に打ち付けた夜

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 奈良に都が置かれていた和銅三年(七一〇年)から延暦三年(七八四年)の頃。平城京の「西(にし)ノ京(きやう)」=「右京(うきょう)」で稲作を行うために女牛(めうし)を飼い育て…

熊楠による熊野案内/越前(ゑちぜん)の国敦賀(つるが)を彷徨う亡霊「利助」

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 世間では「鶏の五徳」とよく言われるが熊楠は「猫の五徳」についても知っていた。ところが或る時、土宜法竜に「茶の十徳」というものがあるらしいが知らないかと尋ねられた。熊楠もその…

熊楠による熊野案内/大和国(やまとのくに)に流行歌の降る・忖度なき鬼神

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 奈良時代。聖武天皇の頃、大和国(やまとのくに)全域で或る歌が大流行した。 「あなたをお嫁に欲しいと誰かがいう。菴知(あむち)の村の万(よろづ)の家の女の子。あちこち探してみ…

熊楠による熊野案内/吉祥天女と農耕社会の現実

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 「今昔物語・巻第十七・第四十五」のタイトルは「吉祥天女(きっしょうてんにょ)の摂像(しょぞう)を犯(おか)し奉(たてまる)れる人(ひと)の語(こと)」。原典ははっきりしてお…

熊楠の熊野案内/乞匂(かたい)の通過

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 或る時、二人連れの「乞匂(こつがい)」が山中を越えようとしていると、子どもを背負った若い女性が少し前を歩いているのを見つけた。「乞匂(こつがい)」は「乞食(こつじき)」のこ…

熊楠による熊野案内/妖怪〔鬼・ものの怪〕的接続・切断・再編・マーケティング

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 平安遷都から百四十年ばかりが過ぎた頃、近江守(あふみのかみ)の子どもの中にまだ年若い美少女がいた。今でいえば中学・高校生くらい。両親はたいそう可愛がり、片時たりとも目を離さ…

熊楠による熊野案内/「パルマコン」としての「白い狗」、その貨幣性

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 或る時、若い男性が京の北山へ遊びに出かけた。北山のどこか。今の京都市右京区・北区・左京区でも北部はもう山間部であり、遊びに行くといっても左京区に大原・鞍馬寺・貴船神社などが…

熊楠による熊野案内/人身売買請負人の損益と女性の自死

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 或る時、近江国(あふみのくに)に、まだそれほど老いてはいないのに夫を亡くした女性がいた。女性はいまだ四十歳くらい。子どもがいなかったため、たった一人残されてしまった。嘆き悲…

熊楠による熊野案内/疫病を咳病へ・怨霊トリックと「膳部(ぜんぶ)」

前回同様、粘菌特有の変態性、さらに貨幣特有の変態性とを参照。続き。 或る時、全国で「咳病(しはぶきやまひ)」が流行した。「咳病(がいびやう)」ともいう。患者は上下貴賤を問わず続出した。「咳病(しはぶきやまひ)」は今でいう風邪・気管支炎・喘息…