2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧
裏切るのは感性あるいは身体ではない。理性のほうこそ裏切るのだ。なぜか。 「人間の理性は、或る種の認識について特殊の運命を担っている、即ち理性が斥けることもできず、さりとてまた答えることもできないような問題に悩まされるという運命である。斥ける…
26日/朝日新聞夕刊/4面/テーブルトーク。 「生活に占める労働の割合 考えたい」とのタイトルで百木漠(立命館大専門研究員)の著書に関し、百木へのインタビューを通して記者が次のようにまとめている。ハンナ・アレントに関する。前回のブログでアレ…
ラカン派精神科医としてと同時に思想家としても知られる斎藤環は実は猫を飼っているらしい。猫の年齢は2015年当時で6才。生きていれば9才になるはずだ。「猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか」(青土社)の巻頭を飾る部分で「なぜ猫を飼う…
ネット検索してみたところ次のような数値が出た。 「不倫エロ」=5500万件。 「人妻エロ」=1億4200万件。 「不倫エロ」より「人妻エロ」の方が8700万件も多い。圧倒的な差だ。しかし、不倫はいかにして人妻に負けたのか。あるいは人妻はいかに…
成熟せよ、と言われても、成熟とは果たして一体どういうことか。アメリカにはそのことがよくわかっていない。あるいはとうの昔に忘れてしまった。そしてただ自分一人だけで荒れ狂い、さまよい続けて、場合によってはところどころ崩壊して腐臭を放っている。…
個人的にはフェミニズムというものをどれほど理解しているかは定かでない。が、反差別の立場から、見るに見かねて述べておきたい。大学医学部入試女性差別問題について。といっても、いきなり引用から始める。 「ヨーロッパなどの外国の人たちの観察の方法と…
ここひと月ほどだろうか、「平成最後の」というキャッチ・フレーズ。あちこちで見られる(見せられる)/聞かれる(聞かされる)日はないと言っていいくらいだ。いい加減、しつこい。からだに障る。実を言えば、それほどまでに景気が不安定なのだろう。とこ…
シェークスピアが今日のような「物語/悲劇」として発見されたのは十九世紀ドイツ・ロマン派の中においてである。ニーチェはいう。 「シェークスピアについても事情は異ならない。この驚くべきスペイン風・ムーア風・ザクセン風の趣味綜合については、アイス…
小川未明から。 「『こんなにおそくなってからーーー』と、おばあさんは口のうちでいいながら戸を開けてみました。するとそこには、十二、三の美しい女の子が目をうるませて立っていました。『どこの子か知らないが、どうしてこんなにおそくたずねてきました…